ひとつだけのお願いごと

i shi ki のラグのオーダーをお受けするにあたり
ひとつだけお願いしていることがあります。
それは、お預かりするお洋服は
合成洗剤や柔軟剤を使用してお洗濯していないもの ということ

そのことについて、何度かお尋ねいただく機会がありました。
タイミングがきたら伝えたいとおもっていたことを、もう少し詳しくお伝えしてみます。

実は、わたし自身が
合成洗剤や柔軟剤の香りに敏感です。
もう少し言うと、合成の香りによって体調が悪くなってしまいます。
それが理由のひとつです。

わたしはシンプルで自然なもの、環境に負担の少ないものが単純に好みです。
体調に影響があると感じる前から、様々な洗剤を試してきました。
昔ながらの純粋な石鹸や重曹、セスキソーダ、酸素系漂白剤、
海外のオーガニックの洗剤 
他にもたくさん。
色々試してみることが楽しくて、なにより使っていて心地よかったから。

わたしが自然なものがすきなように、みんなそれぞれに好みがありますよね。
自分の好きなものを選ぶって一番大切なこと。
好きなものが暮らしの中にあるととっても気分がいいし、しあわせ。

好きなものにいい悪いもありません。

なにかを選ぶというときに
それがなにでできていて
その先になにがあって
もしくはその背景になにがあってとか 

ただみてみる
知ってみる
意識を向けてみる

そんなきっかけにもなったらという想いがあります。

いつからか、以前住んでいたマンションの近所の洗濯物の香りが気になるようになりました。
わたしがちょっと敏感になりすぎたからかなと思っていましたが
なにかおかしいし苦しい。
そしてどうやらそれはわたしだけではなかったのです。

ご存知の方もいらっしゃるとおもいますが、
実は今、合成洗剤や柔軟剤などの香りや化学物質で体調を崩されている方、不自由な暮らしを余儀なくされている方もたくさんいます。
ただ息をすることすらままならない人もいます。
わたしは全然軽い方です。

ちょっと強すぎて好きになれない言葉ですが、香害 で検索すると色々なケースがでてきます。 

ishikiをやりたいと決めたときに
一番引っかかったのはここでした。

ピカピカの新しい素材じゃなくて
みなさんと共に過ごしてきたお洋服でラグをつくりたい。
でも、きっと柔軟剤が好きなひともいる。
柔軟剤を使ったものはお受けできませんと書かれていたら、悲しいですよね。持ち主さんもお洋服もきっとそう。
わたしもできることなら、すべてのお洋服たちをラグにして差し上げたい。

でも このishikiにおいて
わたし自身が無理してつくることはしたくない。

良いものは決して生まれない。

自分自身がクリアな状態で
一枚一枚丁寧にお洋服たちと向き合って
あいと喜びとともに
世界にひとつだけのものをつくりたい
わたしの繊細さと創造力を惜しむことなく存分に発揮したい

だからこそ つくる価値があるという直感がある。

そして このishikiをきっかけに あらたな意識が拡がっていくというヴィジョンが見えました。


うまくお伝えできているかわかりませんが、
それが ishiki のお願いごとの理由です。
このお願いごとにより、不快な思いをされた方もいるかもしれません。
ごめんなさい。
あなたはいつも自由です。
好きなものをいつも選べます。
ただ選べないひともいます。
それを知ってもらえるだけで救われることも少なからずあります。

わたしもあなたも海も空も森も地球も宇宙もみんなつながっている
調和がうまれたらいいですね。

ishikiを通して
香りで苦しんでいる人の力に少しでもなれたら嬉しいです。


長文を読んでくださってありがとうございました。












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かたちあるもの かたちなきもの いま!という一点でむすばれしとき いのちを照らす祈りとなる 祝福のtextilegrid